・文部科学省「教育情報セキュリティ対策推進チーム」の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の策定に携わったKUコンサルティング代表社員と国産のネットワーク間ファイル交換システムを開発・提供しているプロットの取締役の対談。
・教育分野で驚いたのは、学校単位での決定事項が大変多いこと。教員が独自に見つけてきたフリーソフトの活用も多く、このままの状態で全国的に情報教育を進めることは危険。
・平成29年11月、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」ハンドブックを公表。文科省・ガイドラインの理念は「校務系」「校務外部接続系」「学習系」の3層分離だが、大きな予算が必要ですぐに着手できる教育委員会は多くはない。
・インターネットと接続できる領域で取り扱う際には複製できない形にする、自分にしか開けないように自動暗号化するなどの仕組みです。住所録や指導要録、テストなどは完全に自動暗号化し、暗号化された状態でなければ編集できない、などの仕組みも構想中。
――スマートスクールの検証で明らかになった方向性について
・スマートスクールは、校務系、校務情報系、学習系の中においても同じポリシーでデータのやりとりを構築することで高度化と利便性向上を図ろうという試み。問題点が、子供が生み出したデータの取り扱い。どの時点まで作成者本人が操作(所持)可能で、どの時点から成績処理の対象となる秘匿性の高い重要情報となるのか。現在のポリシーだとどこかの時点で学習系から校務系に移動する必要が生じる。
・この判断基準を設定するのは大変難しい。テスト結果は重要情報だが、生徒自身が保有すべき情報でもある。今後、eポートフォリオが大学入試に活用されることもある。この方向性が決まり次第、文科省・ガイドラインは改訂される。 ・学習系=インターネットとつながる、という考え方が変わってくる可能性がある。教員だけではなく子供も、インターネットを見るときだけ仮想化し、テストや作品などはそれらのセグメントと切り分けておくことで安全を図る。
・学習系=インターネットにつながるもの、という切り分け方は課題。弊社では学習系、校務系、校務外部接続系において、教育情報の校務系からのデータ持出時には強制的に自動暗号化することに対応。
・学校にある教育情報は貴重なビッグデータ。スマートスクール実証では、どのような環境にある生徒の成績が良いのかなどのダッシュボード化を試みており、授業改善が飛躍する。教育現場にある情報には価値があるという理解が進むことで「学習系」の新しい考え方が生じる。
■スマートスクール・プラットフォーム実証事業=文部科学省「次世代学校支援モデル構築事業」と連携し、教職員が利用する「校務系システム」と児童生徒も利用する「授業・学習系システム」間の、安全かつ効果的・効率的な情報連携方法等について実証し「スマートスクール・プラットフォーム」として標準化。その運用基盤となる次世代ネットワーク環境についてガイドラインを策定。
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